木のマンションリノベーション工事日記③ 城下町ベジタブルベース 解体工事のつづき

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解体作業開始

今日は何度経験しても緊張する解体工事初日のお話です。

 

今回の解体作業はおよそ1週間で計画しています。

 

いつも計画した工程より早めに終わることが多いのですが、万が一のことも考えて、解体期間は長めにとっておいた方が安心です。

 

工事を担当するのはいつも依頼している業者さんなので、どの様な作業をするのかはある程度わかっているつもりですが、それでも、初めの2日間は特に気をつけて作業を見守ります。

 

特に大事な初めの2日間

マンションリノベーションの解体工事で特に大事なのは、初めの2日間(部屋の面積にもよります)だと思っています。

 

なぜなら特に大きな音、振動が出る作業がこの2日間に集中するからです。またその2日間騒音、振動の時間も長くなるので、住民の方のご負担が大きいと思うからです。

 

初めの2日間は大まかな解体とゴミの搬出がメインの作業となるので、作業員の人数も多めに投入され、それに伴い建物への出入りの回数も増えることになります。

 

できるだけ積み込みし易く、ご迷惑かからない場所に駐車させてもらいます。

 

1、2日目の大まかな解体工程

 

大まかな解体(天井、間仕切り、ユニットバスなど)

仕分け、分別(木材、金属、石膏ボード、プラスチックなどの不燃物)

搬出、積み込み

処理場への運搬

 

はじめの2日間は作業員の人数も多めに投入されるので、もの凄い勢いで壊されていきます。

 

「造るのはあんなに大変なのに。」と思いながら見ているのですが・・・

 

なので、立ち会うこちらも気が抜けません、私がこの時に気をつけていることがあります。

 

この2日間は作業に付きっきりで、解体作業員の個性を掴むこと

 

事前に解体業者のチームリーダーと解体して欲しい場所、そうでない場所を念入りに打ち合わせしています。

 

しかし、作業員の経験に差がある中で、どんどん流れで壊されていくこともあります。

 

そうした時に壊して欲しくないところも解体されてしまったりするのです。

 

経験がない人ほど「解体するだけだから、早くどんどん壊せば良いって!」なりがちです・・・

 

この辺りが難しいところで、壊し方にもペースを上げて壊して良いところ、丁寧に壊さなければならないところなどの勘所があるんですね。

 

それを踏まえて「この作業員さんには先回りして細かく指示した方がいいかな」、「この人はベテランで細かい点まで気をつけてくれてるな。」

 

と思いながら、現場に張り付いてじーっと見ています。

 

時には「こんな風に壊してほしい」と、自分が壊しはじめたりします。一手間かけて丁寧に解体してあると、この後の内部造作作業はとてもやり易く、完成時の仕上げも綺麗になります。

 

自分が大工なので、そのあたりが良くわかるんですね(笑)

 

解体前のこの部屋が・・・・

 

あーっという間に壊されていきます、こちらも気が抜けません。

解体業者にも得意不得意がある

 

あと、マンションリノベーションで大切なポイントは、解体に来られた業者さんがマンションの解体に慣れているかどうかです。

 

解体専門業者だから、お任せして大丈夫と思っていたら大間違い!

 

戸建解体がメインで、マンション解体経験が少ない業者さんだと、コンクリート躯体(マンション構造体)の音や振動の伝わり方を甘く考えがちです。

 

そこは本当に注意しなければいけません。

 

コンクリート躯体は凄く音が伝わりやすいからです。

 

あと内装解体工事専門の方だと、集塵機などを持ち込んで細かく清掃してれる業者さんもいます。

 

この集塵機、意外に他の業種の職人も持っていないので、気が利く職人のポイントになるところだと思っています。

 

 

 

解体の手を止めて、打ち合わせ中の職人さん達。

3日目から最終日までの作業

 

細かな解体(壁、床に張り付いたモルタルなどを剥がす、玄関土間の解体など)

仕分け、分別(細かな木材、金属、石膏ボード、プラスチックなどの不燃物)

搬出、積み込み、清掃

処理場への運搬

 

3日目以降は壁や床に張り付いた様々なものを取り除く、細かな作業がメインとなります。

 

例えば、ボンドやモルタル(セメントのペースト状のもの)をこそぎ取ったり、釘やビスなどを外していきます。

 

それに伴い作業者の人数も減り、1、2日目に比べると振動や音なども若干ですが少なくなります。

 

この地道な作業ですが、ここの丁寧さが内装工事の下地造りの精度に関わるので、しっかり確認しながら進めていきます。

 

ビッチリ張り付いたモルタル、この上に石膏ボードが貼ってありました。

 

丁寧に一つ一つ手作業で剥がします、地道で忍耐のいる作業になります。

 

だいぶ綺麗になったところ、この後手で触って滑らかならOKです。

 

細かなゴミは袋に種類別に分けていきます。

 

解体中、様々な場所を確認する

 

解体作業が進んでいくと、これまで見れなかった場所が徐々に現れて直接見ることができるようになってきます。

 

この時にパイプシャフトの場所、梁の位置、高さなどが図面作成時の想定と合っていたかどうか、確認していきます。

 

あと大切なポイントとして、コンクリート躯体にヒビや割れがないかどうかを必ずチェックしていきます。

 

ここで大きなヒビなどがあれば、管理組合に報告しなければなりません。

 

コンクリートの躯体は個人の所有ではなく、共用部分にあたるからです。

 

梁の高さなどを確認、画像で保存していきます

 

解体は工程の中で一番大切な工事

 

解体工事は工程の中で、はじまりの工事になります。

 

このはじまりの工事で、住人の方へご迷惑をお掛けすると、この後の工程の工事全てに不信感を持たれてしまいます。

 

それではマンションにお住まいの皆様も工事が終わるまでずっと不安ですし、工事業者もその中では仕事がやり難くなってしまいます。

 

工事業者は工事が完了すれば建物を去りますが、その後入居されるのは仕事を信頼して、仕事を頂いた施主様です。

 

素敵な暮らしを手に入れるためにリノベーションしたのに、住民同士の関係が複雑になってしまったら本末転倒です。

 

「解体工事はご迷惑を必ずお掛けする工事」それを肝に銘じて、気遣いしすぎてし過ぎる工事ではないんです。

 

特に音の出る土間ハツリ工事、特に気をつけて短時間で作業を終えるようにします。

 

地道に丁寧に、全てが手作業です。

 

 

端から端まで見えるようになりました、こんなに明るくて、広かったんですね。

 

作業終了後、仕上げ掃除をして帰ります。

 

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カミヤスタイルは、愛知県刈谷市にあるつくり手の顔がきちんと見える小さな工務店です。

ひとつひとつ、一棟一棟に造り上げていきます。

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